開催概要 About

さどの島銀河芸術祭とは

芸術祭プロジェクト2020について

コミュニケーションディレクター/アートディレクター 吉田モリト

佐渡島は、日本海最大の離島。大佐渡山地と小佐渡山地が北東〜南西に伸び、2つの山地の間に国中平野が広がっている島は、その形からバタフライアイランドとも呼ばれています。対馬暖流(海流)の影響で、夏は本土よりも涼しく冬は暖かく、多種多様な植物や海生生物をみることができます。 かつては金の産地として、日本のみならず国際社会にも影響をおよぼし、トキの群れが優雅に飛んでいた佐渡。承久の乱に敗れた順徳上皇や、足利義教から弾圧を受けた世阿弥が配流された地であり、江戸時代から明治にかけては近畿・北陸・北海道を結ぶ北前船が盛んに行き来していました。時代時代にさまざまな人や物の往来があった佐渡は、能や鬼太鼓などの独特な芸能・文化を生み出し、独自の生活スタイルや日本文化が残っている場所です。 今年のさどの島銀河芸術祭プロジェクト2020では、来年の開催年を見すえ、佐渡の自然や歴史、その中で育まれた民話や伝承、この地で暮らす人々の魅力を、島内外のアーティスト達が媒介となり再発見していきます。多様な価値観が共存してきたこの島で、既存の枠組みにとらわれない展示空間での展示を通じ、これからのアートのあり方を考えていこうと思います。 今年は、新型コロナウイルス感染症を受けて、十分な安全対策を講じるために会場での感染症対策は国のガイドライン等に従います。来場者にはマスクの着用や、入口での手指消毒やサーモグラフィーでの検温協力、ソーシャルディスタンスの確保などをお願いし、スタッフのマスク、手袋の着用等を徹底します。 自粛要請のなかでも多くの美術館や文化施設がオンラインで発信を続けその可能性を広げてきていますが、生身の人間が佐渡の展示会場を訪れ、作品を感じ、反応し、そして考えるという実体験が、今のコロナ禍の中でこそ、最も大切であると考えます。次の芸術祭のあり方のきっかけとなり、創作活動を中断させることなく芸術祭を開催することが、アーティストの支援にも繋がると考え開催することになりました。海外アーティストの来日が難しい中でも、オンラインでのビデオ会議やメールでのやりとりを通じて展示準備を進めています。 作品の展示場所を訪れるだけでなく、島を巡り歩いてみてください。きっと、忘れていた大切なことを思い出したり、記憶にずっと残る体験を得るはずです。そして、夜になれば満天の星空。コロナ禍から離れ、佐渡島の時間に身を委ねて、自分自身と向き合える場になればと願っています。

基本理念 “過去と未来の帰港地”

佐渡島の自然や歴史、点在する民話や伝承を掘りおこし、島内外からの刺激とともに新しい創造空間をつくり出し、「銀河」のようなきらめきや美的価値観を創造していくことを目的に、 「さどの島銀河芸術祭プロジェクト2020」を開催いたします。 島内各地で、作品展示やアートイベントを行います。 島内のお寺、県指定有形民俗文化財である大膳神社能舞台、舟小屋、世界農業遺産(GIAHS)に登録された象徴される岩首地区の棚田、国の重要文化財、史跡、近代化産業遺産に指定されている北沢浮遊選鉱場など、既知の観光地とは異なるスポットを訪ねてもらうことで、来場者に佐渡についてより深く知ってもらう一助になれればと考えています。

芸術祭プロジェクト2020概要

さどの島銀河芸術祭
会場
佐渡島内複数箇所
(両津地区、金井地区、相川地区、真野地区、岩首地区ほか)
参加アーティスト
イーサン・エステス、計良宏文、シャルル・ムンカ、テリー・ライリー、宮田亮平、宇川直宏&DOMMUNE ほか
会期
2020年8月8日(土)〜10月11日(日)
主催
さどの島銀河芸術祭実行委員会/アース・セレブレーション実行委員会/一般社団法人佐渡国際芸術推進機構
コミュニケーションディレクター/アートディレクター
吉田モリト
アドバイザー
椹木 野衣/宇川 直宏/小川 弘幸
協力
菊田樹子(インディペンデント・キュレーター)