聞こえる人も聞こえない人もみんな一緒に楽しめる舞台。昔から継承された狂言特有の動きに、 手話の豊かな表現力が加わった新しい魅力のある手話狂言と、佐渡をテーマにした創作舞踊のステージです。 ご鑑賞の際は、後日テレビ放映や期間限定のネット配信のコンテンツ収録にご参画・ご協力お願いします。
出演:日本ろう者劇団
出演:若林美津枝(Studio PAL)
四季折々に彩る自然豊かな島
耳を澄ますと木々の間を駆け抜けてあらわれ心のまま踊りだす
風が遊びを誘い、花々が語りかける
「共に生きよう」
やがて朱鷺色に染まりはじめた空を見上げて泪する
−どうかこの美しさが永遠に続きますように−
舞姫は願いを込めて踊り続けます
狂言のセリフは室町時代から江戸時代までの古いことばです。 日本ろう者劇団は和泉流狂言師三宅右近師の指導により、昔から継承された狂言特有の動き、運び足をそのままに、手話表現の研究を重ね、古典芸能にふさわしい手話狂言を作ることにつとめました。手話のセリフと声のタイミングや間の取り方にも工夫を重ね、古典芸能の強靭さと手話の豊かな表現力をあわせもつ、手話狂言が誕生したのです。 台詞を手話で表情豊かに表現し、声のセリフをアテレコすることにより、聞こえる人も聞こえない人も共に楽しむことができます。
日本ろう者劇団のレパートリーの中で、最も力を入れているのが手話狂言です。 なにもかもが手探りの「世界ろう者演劇祭典」[1983年]に参加したイタリアのパレルモが、はるか昔のことのように思えます。 あれから、演目も少しづつ増え、日本各地、世界各国のお客様に喜んでいただいています。 「狂言って、こんなに面白いって知らなかった!」見終わった後、こうおっしゃるお客様がたくさんいらっしゃるのも嬉しいことです。 とにかく楽しんでいただけることは絶対です。ぜひ、ご覧いただきたいと思います。 そして、よろしくお願いします。
皆様こんにちは。黒柳徹子と申します。
私は日本に、ろう者の方が見に行けるものがほしいと思いこの劇団をつくりました。
日本ろう者劇団が、最初に外国に参りましたのは32年前のイタリアのパレルモで、ろうあ連盟の全体的な会合だったのですが、その中に演劇が入るということで、参加してくれないかというお話がありました。その時にすぐ「狂言がいい」と言いました。狂言はだいたい15分くらいと短く、皆様に笑っていただけるものなので絶対に狂言がいいと思いました。
狂言は日本の伝統的な芸能なので、三宅右近さんという狂言師の方にお願いして、狂言だけでなく衣装の着付けから全部を教えていただき、パレルモへ行きました。2000人規模の大きな劇場でした。狂言を演じると、観客の皆様が本当によく分かってくださって、最後に全員が拍手の代わりにこうやって(両手の中指と薬指だけを折った形にして)“LOVE”のサインを振ってくださって、私もその場にいたのですが、心から嬉しいと感じました。狂言というのはカーテンコールがなく、本当は退場したらそのままおしまいになってしまうのですが、演者たちにまた出てきてもらって、観客が"LOVE"のサインを振っているのを目で見てもらって、皆が喜んでいたのがとても感動的でした。
今度もきっと皆様がそんな風に拍手の代わりにサインをくださると嬉しいです。もちろん拍手でも俳優たちの心に届くと思いますので、よろしくお願いします。呼んでいただいき、芝居ができるチャンスを与えてくださったこと、心からお礼申し上げます。どうぞお楽しみください。